藤﨑 誠 (京都市立芸術大学名誉教授)
昭和7年4月30日 旧満州、大連(現在の中国東北部)に生まれる
昭和33年3月 京都市立美術大学美術専攻科を修了
昭和34年4月から4 年間、鹿児島市工芸研究所に勤務
昭和38年4月 京都市立美術大学専任講師に就任
昭和42年から1 年間、国立カイロ大学に留学
昭和46年4月 京都市立芸術大学助教授
昭和59年4月 京都市立芸術大学大学教授
平成10年3月 定年退職、名誉教授となる
平成24年7月1日 永眠
「漆、大好き」
先生は京都市立芸術大学において、木地の制作から漆の塗り工程までの一貫制作を指導し優れた芸術家を数多く輩出されました。
また芸術家として作品を発表し、数々の賞を受賞されました。
海外でも展覧会への出品や、美術大学において日本の漆芸の紹介の講義やワークショップを行うなど、漆の魅力の普及に努められました。
展示のご案内
藤﨑先生の作品と道具、教室でお世話になっている先生方の作品を展示します。
-参加作家-
栗本 夏樹 京都市立芸術大学准教授(特別出品)
柏原 由貴子・亀谷 彩・笹井 史恵・下條 華子・永守 紋子
漆椀から世界を見る・・・
少し大袈裟かもしれません。
しかし、私たちにとって、一番身近と言える漆椀ひとつからでも、色々なことが見えてきます。
「うるし」や漆の樹、塗師屋さん、木地屋さん、それらを支える周辺の仕事、流通や環境の問題等々。
あの小さなお椀一つとりあげても、様々な問題が提起されます。
漆大好き、漆って何、と言う方々が、気楽に語り合う集いでありたいと思います。
漆椀やいろいろな漆器を使っての楽しいひとときもデザインしましょう。
食の文化や食育の問題もきっと話題になるでしょう。
※ 参加者多数のため、トークイベント「藤崎先生の想い出」の会場は、舎林の建物向側にあります「阿倍野市民学習センター(大阪市立総合生涯学習センター)」の3階アトリエ室に変更になりました。
『阿倍野市民学習センター』
ご予約、お待ちしております。
藤﨑先生の
「本物の材料を伝承された技法で」
「うるし、大好き。の人たちが増えることが、漆文化を支えることになる」
という思いでスタートし9年目を迎える教室の初めての作品展を開催します。
藤崎先生と舎林
『漆教室の先生は、藤﨑 誠に頼めぇ~』
酔っぱらった山本英明さんの一言が藤﨑先生との御縁の始まりでした。
まったくの初心者対象の漆教室の指導をお願いした時先生のお返事は
『本物の材料を使って、伝承された技法を教える教室なら、手伝いますよ。』
たったそれだけでした。
何の準備も出来ていなかった漆教室を一から立ち上げて下さり、2004年10月から教室は始まりました。
指導は厳しく何度もやり直しでなかなか作業が進まない事も多かったようですが、作品が出来上がったときは『使い始めはまず教室で』と先生の手料理が美しく盛り付けられ、お酒も進みなごやかな宴会が開かれていました。
教室は今も先生の思いを引き継いだ先生方と漆大好きの生徒さんたちによって続けられています。
2005年9月から「うるし椀の会」が始まりました。
第1回のゲストの山本英明さん以後、2012年12月の佐竹康宏さんにご尽力頂いた「奥会津の木地師」映像鑑賞会まで、全28回の「うるし椀の会」が開かれました。
この会は先生のたっての希望で始まった会でした。
それだけに、先生なしではとても続けていけないと思っていましたが
『藤﨑先生の思いのこもった会をやめてしまってはだめ、みんなで続けましょう』
と言ってくださる方々に支えられ2013 年3 月に再開しました。
先生はあまりにも突然に逝ってしまわれました。
ぽっかり空いてしまった穴をうめるにはまだまだ時間がかかりますが、先生が大事に育ててくださった「うるし椀の会」と「漆教室」を私たちも大切に守っていきたいと思っています。
最後になりましたが『藤﨑 誠先生を偲んで』開催にあたり大きなお力添えを頂きました、藤﨑寿子様、山中晴夫先生、栗本夏樹先生ほか皆々様には心より御礼申し上げます。
山田 冨美子(舎林)