「一個の漆器を見てみよう。
これは一人の手でできたものではなく、大勢の人が作り出したものだ。
漆の木を育てた人、その木から漆の液を採った人、漆を精製した人、
また、轆轤を挽いて素地を作る人、塗る人、
・・が、この人たちは何のつながりもなく孤立した状態で仕事を続けている。
しかし、いい漆器を作るのに、これでいいのだろうか?
もっと人間的なつながりを持ち、漆の仕事への理解を深めなければ・・。」
今からちょうど50年前、
そんな思いでつくられた漆に携わる方々の勉強会「明漆会」。
この「明漆会」によって、今につながる「普段使いのしっかりと作られた漆器」というものが提案されていく下地が作られていきます。
発起人は溝口三郎さん、鳴子の沢口滋さん、輪島の奥田達郎さんなど。
舎林のオープンにも協力してくださった山本英明さん、「うるし椀の会」の主催者 藤崎誠先生もこの明漆会のメンバーでした。
(沢口滋さんは、名著「日本漆工の研究」で有名な沢口悟一さんの息子さんで、溝口三郎さんは悟一さんのお弟子さんでした。)
次回、5月17日(土)の「うるし椀の会」は、この明漆会とその思想について、道具と漆について研究をされている奈良大学の丸田健先生を講師にお招きし、お話を伺いたいと思います。
「道具のこと-明漆会にもふれて」
講師:丸田 健 先生
5月17日(土)18:30 ~21:00
会費:2,500円
申込は06-6624-2531または、urushi@u-syarin.com まで。
ご参加、お待ちしております。
座席数に限りがございますので、お早めにご連絡ください。